資料をどれだけつくっても、未来はつくれない。

未来プロジェクト室 大塚室長インタビュー VOL.2

OPEN ROAD PROJECT INNOVATION REVIEW

OPEN ROAD PROJECTがスタートしてもうすぐ1年。
「Small Space Parking」や「どこでもSTATION」などのさまざまな新しいサービスも誕生し、
i-ROAD試乗パイロットの生活は確実に変わりつつあるように見える。
未来へのターニングポイントとなる「今」について、トヨタ未来プロジェクト室の大塚室長に聞いた。
OPEN ROAD PROJECTがスタートしてもうすぐ1年。「Small Space Parking」や「どこでもSTATION」などのさまざまな新しいサービスも誕生し、i-ROAD試乗パイロットの生活は確実に変わりつつあるように見える。未来へのターニングポイントとなる「今」について、トヨタ未来プロジェクト室の大塚室長に聞いた。

不確実なままでは終わらせず、次のアクションを

―― 市販されていないi-ROADをお客様に乗っていただくなんてと驚いた人もかなり多かった。トヨタがなぜそれを実行できたのか、不思議に感じます。

「i-ROADというプロダクトを世に出すには、お客様に実際に乗っていただき、生きた声を聞く意外には無いと思っていましたから。不確実のものはパワーポイントの資料だけではずっと不確実なままで、それ以上はぜったいに進まない。次に進むにはこれまでとはまったく違うアクションを起こさなければと強く感じていたので、実行できたのでしょう。ただ本社からも案外“やらせてみよう”という声が多かったのも事実。2012年から段階的に調査やモニターを実施してきたので、それらが実を結び、i-ROAD自体のポテンシャルが認められたことも大きかったと思います」

profile_flow_otuka_pc大塚友美氏
トヨタ自動車株式会社
商品・事業企画部 未来プロジェクト室長
profile_flow_otuka_sp大塚友美氏
トヨタ自動車株式会社
商品・事業企画部
未来プロジェクト室長

不確実なままでは終わらせず、次のアクションを

―― 市販されていないi-ROADをお客様に乗っていただくなんてと驚いた人もかなり多かった。トヨタがなぜそれを実行できたのか、不思議に感じます。

「i-ROADというプロダクトを世に出すには、お客様に実際に乗っていただき、生きた声を聞く意外には無いと思っていましたから。不確実のものはパワーポイントの資料だけではずっと不確実なままで、それ以上はぜったいに進まない。次に進むにはこれまでとはまったく違うアクションを起こさなければと強く感じていたので、実行できたのでしょう。ただ本社からも案外“やらせてみよう”という声が多かったのも事実。2012年から段階的に調査やモニターを実施してきたので、それらが実を結び、i-ROAD自体のポテンシャルが認められたことも大きかったと思います」

 

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i-ROADを通じて築けたお客様との
新しい関係性

i-ROADを通じて築けたお客様との新しい関係性

―― 試乗パイロットとしてi-ROADに乗ったお客様は、みなさん楽しそうですよね。一般的な“試乗モニター”とはまた異なる雰囲気があります。

「一般的なモニターのグループインタビューでは不満点を中心に聞くことが多いのですが、i-ROADの試乗パイロットの方々はもう本当にポジティブ。“私たちが育てたi-ROADにまたいつか会いたい”と言ってもらえたときは感動しました。一緒につくっていく!という気持ちで参加してくださるお客様は、おそらくトヨタ史上初めてのこと。お客様と新しい関係性を築くことができたのが、OPEN ROAD PROJECTでの一番の喜びです」

サービスがプロダクトを使う喜びを
高める

サービスがプロダクトを使う喜びを高める

―― これまでOPEN ROAD PROJECTを進めてきて、どのあたりにもっとも手ごたえを感じていますか。

「プロダクト単体からサービスへと視点を広げることで、確実にプロダクトそのものを使う喜び、満足感は上がるという確信は持てました。これまで車の商品企画は閉塞感があると言われていたのですが、OPEN ROAD PROJECTをきっかけに自分たちで勝手につくっていた垣根がバッと取り払われ、ビジネスチャンスが広がっていく感覚があります。」

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―― OPEN ROAD PROJECTの次の展開を教えてください。

「ちょうどそろそろ次のフェーズにいかなくては、というところです。現在動いているプロトタイピングは、おかげさまでみなさまから高い評価をいただいているのですが、だからこのまま続けようではダメ。次のフェーズへと視点を切り替え、新たにチャレンジしていきます。一体何が起きるのかは、じつは私にもわからない部分が多い。ひょっとすると室長である私が、次の展開をもっとも楽しみにしているのかもしれません」

ダイバーシティを価値に結び付けたい

ダイバーシティを価値に結び付けたい

―― 未来プロジェクト室をどのようにしていきたいですか。

「取り巻く環境は変化しつつありますが、それでもクルマは、自由な移動の手段としての価値はひじょうに高い。この車の価値を、これからもさまざまな形態でお客様に届けたいので、そのためならあの手、この手を打っていくつもりです。これは持論なのですが、次の一手を打つには、ダイバーシティというか、保守本流にいない人たちの視点とパワーがかならず大きな機動力になります。その爆発的なパワーを秘めた組織としてこの未来プロジェクト室が存在し続け、業界全体にさまざまな波及効果を及ぼすのが理想。未来プロジェクト室のメンバーには多種多様なキャラクターがそろっていますし、オープンイノベーションで外の人たちと関わることで生まれる多様性もある。これらダイバーシティの特性と新たな価値との結び付けを、未来プロジェクト室がまざまざとやってのけたいですね」

優しい語り口調ながら、言葉の一つひとつにしっかりとした意志がこもる大塚室長。大塚氏と話していると、車はただのプロダクトではなく、人それぞれのストーリーを運ぶ乗り物だということを、ふと思い出した。

TEXT BY Ryoko Sugimoto (contributor)
PHOTOGRAPHS BY Tomoyuki Kato

ISSUED : 22 January 2016

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