試乗パイロット | 2015.7.4

第1期i-ROAD試乗パイロット、搭乗スタート!

i-ROADに乗って東京の街を駆け抜けながら、新しいモビリティの可能性とともに、未来の都市のあり方を切り拓いていく試み「OPEN ROAD PROJECT」。トヨタでも初となる、“都市の移動イノベーション”を目指すオープンプラットフォームな取り組みが、いよいよ東京の街へと解き放たれる。6月20日、東京・八王子の「トヨタ東京デザイン研究所」に、約10名の人々が顔をそろえた。建築家、会社役員、公認会計士、グラフィックデザイナー、アーティスト......それぞれに個性やバックグラウンドの異なる彼らは、i-ROADの第1期試乗パイロットたち。同じ目的があればこそ、お互いにすぐ打ち解けた様子の彼らだったが、トヨタ自動車のプロジェクトメンバーが語る、都市の狭小スペースの活用や既存のインフラを利用した充電方法の模索など、i-ROADというプロダクトに留まらないOPEN ROAD PROJECTのビジョンに、深く共感した様子だった。続いては、構内の試乗コースに場所を移し、1人ずつi-ROADに搭乗。サークルを描いての走行に始まり、直角に曲がるスクエア、スラローム、8の字走行。そして、旋回中の急ブレーキや、走行時の急ハンドル体験、駐車などを体験した後は、先導車に続いて1列となり、研究所周辺の起伏に富んだ坂道やS字カーブなど、初めての一般道走行を体験した。果たして、その感想はーー? 「未来感が半端ない!」「まるでスキーのような乗り心地で面白い」といった操作感に対する声から、技術面を掘り下げた質問、「後席にBluetoothスピーカーを置いて音楽を楽しめるのでは」「みんなでツーリングしたい」など、楽しみ方の提案まで。さらにこの日、3Dプリンターで“1点もの”のカスタムパーツを製造可能な取り組み「ROAD KITCHEN」と、港区・渋谷区エリアに約200カ所あるi-ROAD駐車場に定額で駐車できるサービス「トメホーダイ」、充電場所と駐車場所を探すことができる専用のiPhoneアプリなど、数々の新たな試みも発表された。さまざまな角度から“モビリティの未来”を切り拓く試みに、「子どもの頃に想像していた未来が現実になった」という感想までが飛び出し、講習会は終了。 東京の街中を舞台に幕を開ける、第1期試乗パイロットたちのi-ROAD体験。続いては、その様子をピックアップしてお届けしよう。 ISSUED : 4 July 2015TEXT BY Keita Fukasawa (contributor) PHOTOGRAPHS BY Tomoyuki Kato

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OPEN ROAD PROJECT INNOVATION REVIEW | 2015.7.4

自転車をスマート化する「Copenhagen Wheel」プロジェクトに見る 都市交通の未来

自動車、バス、電車、自転車、歩行者、建物など、都市は様々な要素によって構築されている。これらが組み合わさることによって生まれている、現代の都市が抱える課題は複雑で、多様だ。だが、これから未来へと向かっていく上で、私たちはこうした都市が抱える課題を解決していかなくてはならない。 なぜなら、都市は数多くの人々の暮らしに関わるだけではなく、自然環境にも大きく関わってくる。都市にイノベーションを起こすことができれば、人々の暮らしから環境課題まで、多くの課題を解決することにもつながっていくはずだ。 現在、世界の各都市で、都市環境を改善しようというアプローチが様々な角度から起こり始めている。イノベーションの端緒とでも言うべき現象たちを紹介していくことで、これから都市が向かうべき未来の輪郭を少しでも明らかにしていきたい。 まず、最初に紹介したいのは、市民にとって重要な交通手段のひとつである自転車に関する活動だ。 自転車を利用する人も多いヨーロッパの各都市では、自転車に関する先進的な取り組みがいくつも実施されている。バイクハイウェイの設置やバイクシェアといった取り組みに加えて、テクノロジーを活用した自転車に関するプロジェクトも存在している。 自転車を「スマート化」する技術 デンマークの首都コペンハーゲンでは、普通の自転車を電動ハイブリッド自転車にパワーアップしてくれる車輪ユニット「Copenhagen Wheel」を活用したプロジェクトがスタートしている。 このユニットを装着すると、ブレーキをかけた時や下り坂を走行する時のエネルギーをバッテリに蓄える、ハイブリッドカーにおける「回生ブレーキシステム」のような技術を活用できる。 電気を蓄えることにより、上り坂を走行する時や、平坦な土地で走り出しを早くしたい時に貯めたエネルギーを活用可能だ。 自転車とIoT、そしてオープン化 「Copenhagen Wheel」を開発しているのは、Superpedestrian社。このユニットは、同社が開発するモバイルアプリと連携することにより、どれだけ坂をのぼったか、自転車で移動したことでカロリーをどれだけ消費したのか、といったフィットネスデータを記録する。 自転車乗りたちは互いにコミュニケーションをとることも多い。「Copenhagen Wheel」では、サイクリングデータを記録し、シェアできるようアプリもサポートされている。 さらに、近年注目を集めているスマートロックの技術も用いられており、持ち主が自転車から離れる際には自動的にロックされ、近くに戻ってくるとロックが解除されるようにも設定できる。 開発者向けにSDKも公開しているので、デベロッパーたちは自らの創造性を発揮して、さらに「Copenhagen Wheel」を使いやすくするためのアプリケーションを開発することもできる。「Copenhagen Wheel」はプロダクトをリリースした後も、まだまだ進化していくというわけだ。 都市環境における「移動」問題を解決するために 「Copenhagen Wheel」を開発したSuperpedestrian社のAssaf Biderman氏は、マサチューセッツ工科大学(MIT)の「SENSEable City Laboratory」研究所の副所長も務めている人物。 彼は、同研究所で都市環境における重要な問題たちをテクノロジーによって解決する方法を探求していたときに、「Copenhagen Wheel」のアイデアを思いついた。彼らがこのプロダクトで解決しようとしたのは、都市の「移動」に関する問題だ。 坂道もらくらく移動でき、長距離もものともしないようになれば、都市を自転車で移動することが今よりも容易になる。都市交通における交通渋滞、電車の混雑、自動車による排気といった課題たちを軽減することにもつながる。なにより、自転車に乗ることが増えると自然と身体を動かすようになり、乗り手の健康面にも寄与する。 注目すべきは、「Copenhagen Wheel」が収集する各自転車の移動状況は、理想的な移動ルートの推定や都市の交通状況の把握などにも応用できる。こうしたビッグデータを解析することで得られる情報は、ユーザだけでなく、都市を管理する自治体にとっても有用なものとなる。 都市の過密化への解決策として、欧州を中心に自転車の存在が再度見直されてきている中で登場した「Copenhagen Wheel」は、都市を変える大きな可能性を秘めている。 ISSUED : 4 July 2015 TEXT BY Junya Mori (contributor) PHOTOGRAPHS BY Superpedestrian Inc.

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