試乗パイロット | 2016.5.18

クルマでもない、バイクでもない、まったく新しい乗り心地

  インタビューを行ったのは、閑静な住宅地にたたずむ、エドワーズさんのご自宅。エドワーズ家の愛車が停まっている駐車場には、ブルーのi-ROADの姿もある。駐車場の空いたスペースにコンパクトに収まっている光景は、i-ROADならではだろう。 東京は駐車場が少なく、運転しづらいと感じていた 東京は駐車場が少なく、運転しづらいと感じていた 「i-ROADが我が家に来てから、会社に行くのはもちろん、買い物など日々の移動もすべてi-ROAD。さきほど久しぶりにクルマに乗ったのですが、すごく走りが重いので驚きました(笑)。大学時代に留学で日本を訪れて以来、ずっと日本で暮らしていますが、その昔、クルマを手放したことがあるんです。道も混んでいるし、駐車場も少ないし、もう日本で運転はしたくない!って。時間が経って、家の購入を機にまたクルマを購入したのですが、昔よりは道路環境が整って運転しやすくなったものの、駐車に関してはやはりまだ少し不便に感じていました。i-ROADを知ったのは去年の夏のこと。六本木ヒルズの駐車場で見かけたのが最初です。スーパーカーのような冒険的なデザインに、トヨタのマーク。その斬新な存在感が忘れられず、自宅に帰って調べてみると、トヨタがなにやらおもしろそうなプロジェクトを始めているじゃないですか。試乗パイロット募集の記事を見つけたときは思わずガッツポーズ! 悩む間もなくそのまま応募しました。第一印象もかなりインパクトがありましたが、乗ったときの感動はさらに大きいものでした。バイクでもない、クルマでもない、まったく新しい乗り物だと感じましたね。あえていうならゲームセンターにある戦闘機ゲームのコックピットに近い。車体が傾くあの感覚が楽しくて、試乗期間の初日ですでに“返したくない!”と考えていました(笑)」。   i-ROADで走ると、知らなかった街の風景と出会えた i-ROADで走ると、知らなかった街の風景と出会えた 「会社にいるときもランチを買いにわざわざi-ROADで出かけたり、帰宅途中に商店街に寄ったり、とにかく乗りたくて、乗りたくて、機会を見つけるのに必死。小回りが利くから、普段は通らないような細い裏道に気軽に入っていけるのも楽しい。新しいお店を見つけたり、立派な桜を見つけたり、i-ROADで走ってはじめて見る景色がたくさんありました。試乗期間中がちょうど花見シーズンと重なっていたのはラッキーでしたね。遠出をするときは「Small Space Parking」を活用。行きたいと思う場所のまわりにたくさんあったので、ストレスなく目的地に到着することができました。サービスのなかでは「SOUND-X」もお気に入り。走行音のリズムに乗ってドライブするなんて初めての体験で、ドキドキしましたね。じつは私も趣味で音楽を作ることがあるのですが、i-ROADでのドライブは、重めのリズムのヒップホップなんかも似合いそう。次は私にも作らせて欲しいです。i-ROADは、私の出身地であるロンドンでも街の風景にうまく溶け込むと思います。雨の多い街なので、i-ROADのカーシェアリングサービスなんかがあれば、みんな利用するのではないでしょうか。ただ私自身は、i-ROADはシェアではなく、所有したい。体と一緒に動いてくれるせいか、乗れば乗るほど、愛車感が強まるんですよ。生活圏内の短い距離をi-ROADで移動して、旅行などの長距離では別のクルマをレンタルする、この組み合わせが私にとって理想です。もう話せば話すほど、i-ROADを返却するのがつらくなってくる(笑)。販売するときはぜひ一番に連絡をしてほしいですね」。 i-ROADの話をするエドワーズさんはとにかく楽しそうだ。「ここがすごい」「もっとこうしたら」と、i-ROADへのメッセージが、エドワーズさんの口からどんどん飛び出してくる。クルマは人をワクワクさせる乗り物。そんなことを、あらためてひしひしと感じるインタビューとなった。 TEXT BY Ryoko Sugimoto (contributor) PHOTOGRAPHS BY Yuta Nishida ISSUED : 18 May 2016

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イベント | 2016.4.26

SXSW 2016レポート「移動の未来とi-ROAD」

最先端のテクノロジーとコンテンツが集う場所 最先端のテクノロジーとコンテンツが集う場所 アメリカ・テキサス州オースティン。毎年3月、この地にはテクノロジーの最新トレンドを求めて、世界中から多くの人が訪れる。世界最大規模のインタラクティブ・ミュージック・フィルムを組み合わせたコンテンツとビジネスの祭典SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)。 今年は30周年ということで、基調講演にはなんとバラク・オバマ大統領が登壇。現役の大統領が登場するのはSXSW史上初であり、このイベントがいかに影響力を持ち、重要な位置付けとなっているかを物語っている。 特にインタラクティブ部門は今やスタートアップの登竜門となっており、Twitterをはじめとする世界的に有名なサービスの数々がこのイベントをきっかけに有名になっていった。 SXSW2016は3月11日から20日までの10日間でのべ10万人以上が参加し、街中の至る所で最新テクノロジーの体験や企業による自社パビリオン、講演・セミナー・Meet Up、トレードショー等、どこから見れば良いかを真剣に悩んでしまうほどの充実したさまざまなイベントが目白押しであった。 今年、特に目を引いたものの一つが「VRヘッドセット」。多くの企業が展示の中で採用し、世界的な大きな潮流となっていた。 最先端のテクノロジーとコンテンツが集う世界最大規模のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバルでありながら、会場となっている街中にはどこかリラックスしたカジュアルな雰囲気が漂う。きっとそれは、世界中から集まるクリエイティブ、ベンチャー投資家、学術関係者など多彩な来場者の交流が功を奏しているからだろう。そうした所もまたこのイベントの魅力のひとつであり、イノベーティブな環境を育む大きな要因だと思わせる。 アンドロイドと未来の生活 アンドロイドと未来の生活 SXSW2016の会期中の3月14日、15日の2日間にわたり、「Extension of Humanity」(人間性の拡張)をテーマに、ロボット、モビリティなど人間の可能性を拡張してくれる最新技術にフォーカスしたオフィシャルイベント「JAPAN HOUSE」が開催された。 メインプログラムとして、世界的なロボット工学者である大阪大学・石黒浩教授が登壇し、「アンドロイドと未来の生活」をテーマにしたプレゼンテーションを行い、また、同教授をコピーしたアンドロイド「Geminoid HI-4」や社会的対話ロボットCommU(コミュー)による音声対話技術のデモンストレーションなども行われ大変な人気を集めていた。 移動の未来 移動の未来 JAPAN HOUSEのもうひとつのメインコンテンツとしてOPEN ROAD PROJECTが登場。スペシャルプログラムとして、トヨタ自動車・大塚友美室長と大阪大学・石黒浩教授が登壇し、i-ROADによる「移動の未来」についてプレゼンテーションを行った。大塚友美室長のプレゼンでは、都市の移動を自由にするためにOPEN ROAD PROJECTで行ってきた「Small Space Parking」や「ROAD KITCHEN」といったこれまでの数々の試みを紹介。 一方、石黒浩教授は実際にi-ROADに東京と大阪の街で試乗した体験を踏まえ、都市におけるi-ROADの身体性についてプレゼンテーションを行った。ロボット工学者ならではの鋭い視点にもとづく移動に対する考察は大変興味深いものであった。集まった観衆は熱心に二人の話に耳を傾けていた。 そして最後には、石黒浩教授と大塚友美室長とによるスペシャルトークセッション。ざっくばらんな寛いだ雰囲気の中、i-ROADのモビリティとしての楽しさや可能性、都市の移動などについて語り合った。質疑応答の際には観衆からi-ROADに関する数多くの質問があり、その関心の高さがうかがえ、JAPAN HOUSEは非常に熱い空気に包まれていた。 また、会場内ではi-ROADの展示も行われ、来場者のほとんどははじめて目にするその姿に大変驚いた様子で、食い入るように眺めていた。 i-ROADというモビリティの存在を知り、さらにその先に広がる未来のモビリティとしての可能性を示され時の人々のハッとした表情は大変印象的であった。 OPEN ROAD PROJECTはSXSWという最先端の空気に触れ、また、さまざまな新たな出会いを通じて、どのように進化と深化を遂げていくのか。これからも、OPEN ROAD PROJECTから目が離せそうにない。 TEXT&PHOTOGRAPHS BY Tomoyuki Kato (contributor) ISSUED : 26 April 2016

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試乗パイロット | 2016.4.18

第7期 i-ROAD試乗パイロット、搭乗スタート!

3月下旬、サクラが芽吹く中、第7期試乗パイロット向けのi-ROAD講習会が開催された。車両の操作方法や、SOUND-Xなどの説明を一通り受け、i-ROADと初の対面。そこで目を輝かせるのは大人だけではない。一緒に来場した子供たちもi-ROADに心が奪われている様子。一足早く未来のクルマに乗り込んだ親子パイロットは、どこか誇らしげに見える。 講習会参加後、4月上旬よりi-ROADのある暮らしをスタートさせた第7期パイロット。世田谷区でも走り始めた2人乗りi-ROADの様子や、SOUND Xを使ってドライブを楽しむ様子などが、続々と事務局に届いている。各プロジェクトに関しても、これからも続報にてお届けしていく。 3月下旬、サクラが芽吹く中、第7期試乗パイロット向けのi-ROAD講習会が開催された。車両の操作方法や、SOUND-Xなどの説明を一通り受け、i-ROADと初の対面。そこで目を輝かせるのは大人だけではない。一緒に来場した子供たちもi-ROADに心が奪われている様子。一足早く未来のクルマに乗り込んだ親子パイロットは、どこか誇らしげに見える。 講習会参加後、4月上旬よりi-ROADのある暮らしをスタートさせた第7期パイロット。世田谷区でも走り始めた2人乗りi-ROADの様子や、SOUND Xを使ってドライブを楽しむ様子などが、続々と事務局に届いている。各プロジェクトに関しても、これからも続報にてお届けしていく。 ISSUED : 18 April 2016

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OPEN ROAD PROJECT INNOVATION REVIEW | 2016.4.4

ゼロからデザインしてこそ真のカスタマイズ。

  i-ROADはカスタマイズしたくなるクルマ i-ROADはカスタマイズしたくなるクルマ ―― 「ROAD KITCHEN」というカスタマイズサービスはどのように生まれたのでしょうか? i-ROADを様々な方に何度か乗っていただくなかで、「i-ROAD自体は個性的だけれど、このクルマがもっと広がったときには、自分だけのカスタマイズしたくなりそう」という声がたくさん聞かれるようになったんです。特にバイク好きから見ると、i-ROADには“カスタマイズしたくなる要素”があるようで、バイクからi-ROADに入ってきた方はみんな口をそろえていました。こうした意見を受け、ROAD KITCHENという新サービスに着手したのです。これまでクルマでは、外装パーツのカスタマイズサービスはほとんどなかったですから、これはチャレンジのし甲斐があると感じましたね。 —— カスタマイズに際し、3Dプリンターの活用に至った経緯を教えてください。 カスタマイズといっても、従来のような型を起こす方法はコストやバリーションを考えると限界があります。また、型を作ってしまっては真のカスタマイズにはならないだろうと考えました。いまの時代であればやはりデジタルファブリケーションが方法として最適だろうと、3Dプリンターを活用したいと思いました。ただi-ROADのフロントパネルとなるとサイズが大きいため、出力できる3Dプリンターを探すのに一苦労。結局、お付き合いのあったKABUKUの稲田氏に相談し、KABUKUのネットワークで最適なプリンターを探していただきました。 —— プロジェクトのターニングポイントとなったのはいつでしょうか。 ようやくサービスが動きはじめたのですが、じつは当初、プロトタイプのテストということもあり、いくつかのデザインパターンを用意し、それをアレンジすることで、カスタマイズサービスとして提供していました。しかしプロジェクトを進めていくなか、「果たしてこのやり方をカスタマイズと呼んでいいのか?」と疑問を持ったんです。ユーザーがアレンジというレベルで満足するわけがないと。彼らが描くデザインをゼロから作ることができて、はじめてカスタマイズサービスと言えるのではないかと、プロジェクトを一から見直すことに決めました。     ユーザー発想だからこそ 思いもよらないデザインが生まれる ユーザー発想だからこそ思いもよらないデザインが生まれる ―― ゼロからデザインを起こすにあたって課題となったのは何でしょうか。 ベースデザインの活用をやめて、ユーザーが自由な発想でデザインを起こせる仕組みを考えたときに課題となったのが、デザイナーの確保。技術があり、かつ時間がとれるデザイナーをこちらで1ユーザー1デザインごとに探すのは、今後のサービス展開を考えると現実的でないと考えました。そのときに協力していただいたのがランサーズ。彼らのクラウドソースのネットワークで、今回のプロジェクトに適したデザイナーをその都度マッチングしてもらったんです。そしてようやく試乗パイロット5期から、ゼロからのデザインが可能になりました。一般のユーザーはなかなかデザインを起こすのは難しいだろうと思い、こちら側でコンセプトシートを用意し、デザイナーと写真などでイメージを共有しながら、一緒に作り上げていく仕組みにしました。 —— デザインをゼロから作るようになってから、ユーザーの反応はどのように変わりましたか。 作るときの盛り上がり、そして仕上がったときの喜びは、アレンジの段階とは比べ物にならないくらい高まりました。やっぱりアレンジ前提で用意したデザインは、どうしてもベーシックなものが多くなりがちだったのですが、第5期の試乗パイロットの方が作ったフロントパネルは、黄色に木目デザインで、これには驚かされました。思いつかないようなデザインが生まれるのは純粋に楽しかったです。あと反応という意味でおもしろかったのは海外。アメリカでこのロードキッチンを紹介したことがあったのですが、かなり反響が大きかったです。ひょっとすると海外の方が、カスタマイズ文化が盛んなのかもしれませんね。     ―― 今後の展開を教えてください。 3Dプリンターの出力コストの問題はありますが、コストの将来予測からするとそれはすぐに解決していくと考えています。またデータ作成の人材確保も、一般のデザイナーの方々を巻き込んでいくことで確保していける可能性がみえてきました。将来的には自由にデザインを売買できるようなプラットフォームの場にi-ROADカスタマイズのマーケットがなっていけると面白いと思っています。 「Small Space Parking」のときにもお話しましたが、今回のプロジェクトも、トヨタ、デザイナー、ユーザーと、三者のモチベーションのバランスがひじょうにいいと思っています。ユーザーは欲しいデザインを作ってもらえてハッピーですし、デザイナーは自分のスキルを活かせる場ができてハッピー。トヨタとしては当然、i-ROADの魅力が増えてハッピーです。この三者の構造がきれいなら、サービスが市場に広まったときも、ビジネスがうまく回っていくのではないでしょうか。 また、これからのi-ROADのプロトタイプ開発は、時代背景やi-ROADの車両コンセプトを考えると、今あるものを、視点を変えて活かしていく、という発想が非常に大事だと思っています。無駄になっているものに光が当たった時に輝く、そんな瞬間が非常にわくわくしますね。 「Small Space Parking」と「ROAD KITCHEN」の二つのサービスがユーザーの心に届いたのは、着眼点の秀逸さだけではなく、志村氏をはじめとするOPEN ROAD PROJECTチームの実行力があってこそだったと、インタビューを通じて分かった。思い浮かんだアイデアをすぐに形にする、そんな実行と改良の積み重ねが、「自由な都市の移動」を作っていくのだろう。   TEXT BY Ryoko Sugimoto (contributor) PHOTOGRAPHS BY Tomoyuki Kato ISSUED : 4 April 2016 Article Index OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.2 「ゼロからデザインしてこそ真のカスタマイズ」 4 April 2016 OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.1 「地図には載っていない「都市の隙間」を探して」 31 March 2016 Article Index 4 April 2016 OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.2 「ゼロからデザインしてこそ真のカスタマイズ」 31 March 2016 OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.1 「地図には載っていない「都市の隙間」を探して」

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OPEN ROAD PROJECT INNOVATION REVIEW | 2016.3.31

地図には載っていない「都市の隙間」を探して。

  街の風景はそのままに、小さな駐車場を増やしたい。 街の風景はそのままに、小さな駐車場を増やしたい。 ―― 「Small Space Parking」という、新発想の駐車サービスが生まれた経緯をお聞かせください。 2014年に一般の方々に、i-ROADを貸し出すモニター調査を行いました。その時、プロダクト自体の評価は非常に高く、「楽しかった」との声をたくさんいただいたのですが、もう一方で上がってきたのが、駐車に対する不満ともとれる声でした。というのもi-ROADが小さくても、現状、一般の駐車場に停めざるを得ないわけです。実際に停めて振り返ってみると、スペースが余っているうえ、料金も普通車と同じ。なんだかしっくり来ないという感想を多くの方が持たれたようです。その声を受け、「プロダクトの改良だけを進めても、i-ROADが目指す、真の自由な移動は実現できない」と気づいたんです。つまりプロダクトと同時に、駐車サービスもセットで提供しなくては、生活は大きく変わらないだろうと。ちょうどOPEN ROAD PROJECTのプロトタイピングが立ち上がるタイミングだったこともあり、まずは駐車と充電に関するサービス、「Small Space Parking」の取り組みをはじめました。 —— 狭小スペースのネットワークはどのように作っていったのでしょうか。 今までの発想だと、専用駐車場や充電ステーションを作ろうと考えますが、i-ROADのために都市に新しいハコモノを増やす、というやり方は結局都市をまた狭いものにしてしまう。新しく施設を作るのではなく、既存のものを活用することで素早く課題をクリアしたいという想いがあったんです。そこを頭に置いたうえで街を歩いてみると、普通サイズのクルマは無理でも、i-ROADなら停められるサイズの狭小スペースが、街にはたくさんあることに気がついたのです。また、街の壁面には、現状使用されていない掃除用や自動販売機用のコンセントもたくさんあることにも気づき、これは使えるなと。すでに街にはi-ROADのチャンスはたくさんある。そんなスペースやコンセントを「使う仕組み」さえ作れば、駐車も充電もできるスペースが一気に広がると考えました。     狭小スペースを見つけるのは試乗パイロット 狭小スペースを見つけるのは試乗パイロット ―― 意外な駐車スペースに驚かされたことがあります。どのように見つけたのでしょうか。 新しいスペースの発見には試乗パイロットの皆様にご協力いただきました。僕たちは「都市を走るセンサー」と呼んでいるのですが、プロジェクトが進むにつれ、試乗パイロットの方々が新しい駐車スペースを見つけてくれるのです。地図上では発見できないような場所を、ユーザーが見つけてきてくれる流れが生まれたのはとてもおもしろかった。なかでも階段の下のスペースを活用した人がいたのには驚かされました。我々は彼らの走行データをもとに、駐車ネットワークを広げることができました。見つけると自分の生活も便利になるから、ユーザーは自分の停めたい場所をどんどん探してきてくれる。結果、サービスの駐車スペースや充電コンセントの数がどんどん増えていく。このモチベーションこそが、サービスが急速に回り始めたカギとなりました。 —— 次の課題について教えてください。 駐車サービスを始めてから、試乗パイロットの方々の開始2週間の走行距離が10倍に伸びました。これはまぎれもなくサービスの力でユーザーの生活が変わった。このデータを見た時、方向は間違っていないと強い手応えを感じました。では今後、どれくらいの数まで増やしたいかというと、ケータイのように月額で“トメホーダイ”ができるほどの数が理想。そのスケールにいくために、自然と地権者側から「うちのスペースを使ってください」とアプローチしてもらえる「シェアリング」のプラットフォームづくりが次の課題です。このビジネスのおもしろいのは、トヨタと、地権者と、i-ROADユーザーという三者のモチベーションが絶妙なバランスで組み込まれているところ。ユーザーにとっては停められる場所が増えるのはハッピーだからお金を払う価値があると思うし、自分でも探したくなる。地権者にとっては、持て余しているスペースが少しでもお金になるとハッピーだし、当然、環境が整うことはトヨタにとってもハッピー。シェアリングビジネスにおいてはこのハッピーのバランスが何より大切だと、今回のプロジェクトを通して実感しました。これはカーシェアリングを始めとして、これからのクルマと人との新しい関わり合いを考えていくうえで重要なヒントとなっていくでしょう。 後編ではi-ROADのエクステリアパーツを3Dプリンターで作る「ROAD KITCHEN」についてお届けする。 TEXT BY Ryoko Sugimoto (contributor)PHOTOGRAPHS BY Tomoyuki Kato ISSUED : 31 March 2016 Article Index OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.2 「ゼロからデザインしてこそ真のカスタマイズ」 04 April 2016 OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.1 「地図には載っていない「都市の隙間」を探して」 31 March 2016 Article Index 04 April 2016 OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.2 「ゼロからデザインしてこそ真のカスタマイズ」 31 March 2016 OPEN ROAD PROJECT 企画担当 志村和広氏インタビュー VOL.1 「地図には載っていない「都市の隙間」を探して」

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PROTOTYPING REPORT | 2016.3.23

「SOUND-X」とは?

i-ROADとこれまでに無いサービスを組み合わせることで、「都市の移動を、もっと自由に」するべく、日々、チャレンジし続けているOPEN ROAD PROJECTのプロトタイピング。今回はi-ROADの実走行データを活用し、走行音のデザインに取り組んだ。その名も「SOUND-X」。シーンに合わせた走行音の着せ替えは、私たちのドライブ体験をどのように変えるのか。詳細はリンク先をチェックしてほしい。 SOUND-X ♪× ( km/h × deg × m/s² ) /prototyping/sound-x   TEXT BY Ryoko Sugimoto(contributor) 23 March 2016

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