試乗パイロット | 2016.3.15

第6期i-ROAD試乗パイロット、搭乗スタート!

2月、都内某所で、第6期試乗パイロットに向けたi-ROAD講習会が開催された。今回も親子2組を含む多様な顔ぶれが集合した。車両の操作方法や、駐車アプリなどの説明を一通り受けた後は、いよいよi-ROADへ搭乗。独特のドライブ感に驚く声が、各i-ROADから大きく響いてくる。まるでここだけ一足早く春が訪れたかのように、会場は明るい雰囲気に包まれていた。 講習会参加後、3月上旬よりi-ROADのある暮らしをスタートさせた第6期パイロット。i-ROAD専用駐車場にて“とめホーダイ”を体験したレポートや、2人乗りi-ROADが幼稚園で注目を集めた様子などが、続々と事務局に届いている。試乗パイロットが見た少しだけ未来の世界は、続報にてこれからもお届けしていく。 2月、都内某所で、第6期試乗パイロットに向けたi-ROAD講習会が開催された。今回も親子2組を含む多様な顔ぶれが集合した。車両の操作方法や、駐車アプリなどの説明を一通り受けた後は、いよいよi-ROADへ搭乗。独特のドライブ感に驚く声が、各i-ROADから大きく響いてくる。まるでここだけ一足早く春が訪れたかのように、会場は明るい雰囲気に包まれていた。 講習会参加後、3月上旬よりi-ROADのある暮らしをスタートさせた第6期パイロット。i-ROAD専用駐車場にて“とめホーダイ”を体験したレポートや、2人乗りi-ROADが幼稚園で注目を集めた様子などが、続々と事務局に届いている。試乗パイロットが見た少しだけ未来の世界は、続報にてこれからもお届けしていく。 ISSUED : 14 March 2016

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試乗パイロット | 2016.2.28

オリジナルのワクワク感を、クルマでも味わえる時代。

  木目をデザインした フロントパネルにしたい 木目をデザインしたフロントパネルにしたい 木の香りが漂う工房の前に停められた、白いi-ROADに取り付けられている少し変わったデザインのフロントパネル。このフロントパネルをデザインしたのは、オーダーメイド家具を取り扱う「kaki8」のオーナー、新井さん。家具職人の新井さんにとって、3Dプリンターを使ったカスタマイズはどのような体験だったのでしょう。 「フロントパネルのデザインをしていいという話を伺ったときは、“かっこいいのをつくろう!”と熱くなったのを覚えています。最初にデザイナーさんと打ち合わせがあり、その際に好きな模様やパターンをいくつか出させていただいたのがスタート。そこから会話のなかでイメージを膨らませていき、“木目”をデザインに取り入れようと決まりました。ただあまりリアルな木目ではなく、あくまで樹脂の素材を活かしたポップな木目にして欲しいとデザイナーさんに依頼。そのあたりはこだわりが出ちゃいましたね(笑)。3Dデータを作ると聞くと難しい印象がありましたが、イメージを伝えるだけで形にしてもらえるので、意外にも気軽に、楽しく作れました」 その後、デザイナーとメールで何度かやり取りをしながら、デザインを詰めていった新井さん。大きな流れはプロであるなるべくデザイナーの意見に合わせ、譲れない部分だけはしっかり伝えたといいます。 「技術的にできること、できないことの折り合いをつけながら、イメージを形にしていく作業はなかなか新鮮で楽しかったです。日頃はお客さまの意見を聞いて作る側なので、“こんな細かいこと言うと困るかな”と考えることも(笑)。ただ最後の方はもう一緒に作り上げていく同志のような感覚だったので、最後の塗装の段階になると、“どっちの色がいいと思う?”と素直に聞くこともありました。おかげで完成品を見たときは“我ながらよくできた”と大満足(笑)。色は明るいけれどi-ROADにもしっかりなじんでいるし、何よりオリジナルというのは気分がいいですよね。他の誰のものとも違うわけですから」。   スマホケースのように フロントパネルを着替える スマホケースのようにフロントパネルを着替える i-ROADにオリジナルのフロントパネルを装着したとき、「スマホケースを替えるような感覚」を持ったと新井さんは話します。 「じつは私、車は純正のままが好きなタイプなんです。もともと完成されたデザインなわけですから、そこに手を加えたくないと思っていました。でも今回フロントパネルを着替えてみて、これは車のデザインを触るというより、スマホのケースを替える感覚に似ているなと。今は取り付けに多少の手間がかかりますが、そのうち、気軽に誰でもパカパカ替えられるようになったらすごく楽しいと思います。私の仕事でいうと、イスのカバーの取り替えるようなもの。脚の部分は同じでも、どんな布を貼るかによってイスの持つ表情がまったく変わる。i-ROADもそんな“その人らしさが出る”クルマになるとおもしろいなと思います」。  ビビッドな黄色というおもちゃっぽい色合いなのに、じつは木目模様というミスマッチ感が楽しい、新井さんオリジナルのフロントパネル。装着したi-ROADもなんだかカジュアルでオシャレな雰囲気があり、新井さんっぽさが透けて見えます。これぞオリジナルのだいご味!もっとたくさんのオリジナルi-ROADが走れば、都市はさらににぎやかに、華やかになりそうです。 TEXT BY Ryoko Sugimoto (contributor) PHOTOGRAPHS BY Yuta Nishida ISSUED : 28 February 2016

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試乗パイロット | 2016.2.12

笑顔も楽しさも2人分、「2人乗りi-ROADママ座談会」

  i-ROADは「乗りたいから」乗る車 i-ROADは「乗りたいから」乗る車 日本で初めてとなる2人乗りi-ROADと生活をはじめて数週間。ようやく運転にも慣れ、いまはi-ROADのある生活が楽しくてしかたがないと、お二人は口をそろえます。まずはその“慣れるまで”について伺ってみました。 鵜野さん 「これまで軽自動車にしか乗ったことがなかったですし、それもずいぶん昔のこと。ブランクを考えると運転に慣れるまで苦労するかなと思っていたのですが、意外にもi-ROADにはすんなりと乗ることができました。都内ってわりと細い道が多いのですが、i-ROADは小回りがきくから運転しやすいんですよね。家の近くで練習をはじめて、一週間後くらいには大きな道でも余裕で走れるようになりました」 大関さん 「私はi-ROADのあの体と一体になって動く感覚がとにかく好きで。昔、オートバイに乗っていた頃の“運転の楽しさ”が蘇りました。もともとは生活の足になればと思って試乗パイロットに応募したのに、いまではただ運転がしたくて乗ることが増えましたね」 鵜野さん 「私も同じです!買い物とかいろいろ理由をつけては乗ろうとしちゃいます。i-ROADでドライブするためだけに、朝早く起きることも。運転って楽しいことだったんだなって初めて気がつきました」 ママのお二人はi-ROADライフを満喫しているようですが、気になるのがお子さまの反応。 大関さん 「うちの子は乗るたびにキャーキャー言って、一緒にライド感を楽しんでいます。i-ROADを“あいちゃん”と呼んでかわいがっているくらいなので、試乗期間が終わって返すときに泣くんじゃないかといまから心配です」 鵜野さん 「やっぱり男の子は乗り物が好きなんですね。うちの子は女の子だからか、乗せたらいつもすぐに寝ちゃう。揺れる感覚が心地いいのだと思います。またi-ROADはうちの子だけでなく、子どものお友達にも大人気でしたよ。お友達を呼んで試乗会をしたのですが、“どこに行ってきたの?”とママに聞かれて、“未来まで行ってきた!”ととっても嬉しそうに話すお友達もいました」   i-ROADで幼稚園の送り迎えが ずっとラクに! i-ROADで幼稚園の送り迎えがずっとラクに! ママにとって車な必要なシーンといえば、やはり保育園や幼稚園への送り迎え。i-ROADはこの送り迎えをどのように変化させたのでしょう。 鵜野さん 「とにかく助かっています。とくに雨の日はi-ROADがあってよかったと心から思いますね。いままでは自転車で送り迎えしていたので、雨の日には約15分かけて歩いていなくちゃいけなかったのが、いまではi-ROADでスイッと到着ですから」 大関さん 「そうそう、それに寒い日も楽になりました。自転車だとお迎えのあと家に直行していたのが、“お買い物して帰ろう”や“ちょっとドライブしようか”と、寄り道をする余裕ができたんです。i-ROADが来てから行動範囲は本当に広がりましたね」 鵜野さん 「じつは通っている幼稚園は本来、クルマでの乗り入れが禁止されているんです。しかし園長先生がi-ROADを見て“このサイズなら大丈夫”と停めさせてくれるようになったのには驚きました」 幼稚園の送り迎えの際、ママ友など周りの人はi-ROADを見てどんな反応をされるのでしょうか。 大関さん 「インパクトが強いからか、どうやら私は名前に“あの車の”って付けて呼ばれているみたいです(笑)。よく“写真とらせて”と言われますし、“早く販売してほしい”なんて声も多いですよ」 鵜野さん 「街を走っていても、けっこう声をかけられますね。この前も、ご高齢の方から“これなら私でも運転できそう”って話しかけられました。普通サイズの車はちょっと怖いけれど、運転はしたいと感じている人は、意外に多いのかも」   じつはお財布にも優しいことを 知ってほしい じつはお財布にも優しいことを知ってほしい 家計を預かるママとして、当初、お二人が気になっていたのが電気代。しかし意外にもi-ROAD導入後、あまり電気代に変化はなかったと話します。 鵜野さん 「家ではかならずi-ROADを充電している状態でしたから、じつは電気代がちょっと怖かったのですが、明細を見るとそれほど変わっていなかったのでホッとしました。これはぜひ世のママみんなに知ってほしい事実です」 大関さん 「そうそう、だから街を走っていると、“電気代を払うから停めさせて!”というスペースをたくさん見つけちゃいます」 鵜野さん 「確かに、専用駐車場の数は増えてほしいですね。いまはアプリで駐車場をブロックしてルートを調べてから出かけているけど、充電ができる駐車場が増えたら、もっと気軽に運転できるのにと思います」 大関さん 「i-ROADが発売される頃にはもっと増えていると信じたいですね。とりあえず試乗パイロットである間に、存分にi-ROADライフを楽しんでおこうと思います」 終始、和やかな雰囲気のなかおこなわれた「2人乗りi-ROAD座談会」。とくに印象的だったのが、“お迎えが楽になった”と話すときの、お二人のホッとしたような柔らかな笑顔です。そんなママスマイルが、渋谷・世田谷を超えて他の区にも広がりますように!   TEXT BY Ryoko Sugimoto (contributor) PHOTOGRAPHS BY Yuta Nishida ISSUED : 5 February 2016

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PROTOTYPING REPORT | 2016.2.4

“ものづくりの街”と3Dプリンターの新たな展望

米山敏史(よねやま・としふみ) 米山工業株式会社 専務取締役 新潟県三条市で金属加工業に携わる米山工業にて、2011年より新たに3Dプリント事業を立ち上げ。ネット経由で3Dデータを出力するサービスのほか、「YONEYAMA BRAND」での自社プロダクト開発、広報担当としてヒューマノイドロボットPepperを導入するなど、新たな試みを展開している。米山工業は1969年創業。自動車部品をはじめ、金属プレス加工や溶接加工で高い技術力を誇っている。 YONEYAMA BRAND公式サイト http://yoneyamax.com/ 金属加工用の高圧油圧プレス機がずらりと並ぶ工場内。1台ごとに職人が1人ずつ付きっきりで見守る中、平らな金属板が一瞬にして立体的な形状に成型されていく。   デジタルファブリケーションと 職人技術の、意外な接点 デジタルファブリケーションと職人技術の、意外な接点 「ROAD KITCHEN」の取り組みのうち、i-ROADの運転席に取り付けて、ペットボトルやサングラスなどの小物入れとして使用できる便利な「マルチホルダー」。試乗パイロット自身が好きな色や柄を指定し、3Dプリンターで出力を行うことで金型が不要となり、通常は相当数の初期ロットが必要となる樹脂製品を1点から提供できるという、デジタルファブリケーションならではの“多品種少量生産”を実現した。 このマルチホルダーの3Dプリンティングと、磨きや染色などの最終仕上げ加工に携わったのが、新潟県三条市の米山工業。三条市といえば、日本のものづくりを支える職人たちの街として、隣接する燕市とともに“燕三条”の呼び名で知られる地域だ。 前回の記事で、ROAD KITCHENのパートナーとして開発に携わった株式会社カブクの稲田雅彦代表は、マルチホルダーの仕上がりを「日本ならではの、圧倒的なクオリティ」と賞賛。3Dプリンターを用いたものづくりを新たな次元へと導く米山工業の取り組みについて、同社で3Dプリント事業を推進してきた米山敏史専務に話を聞いた。 ―― 今回、マルチホルダーの3Dプリンティングと最終加工に携わることになったきっかけについて教えてください。 米山敏史 一般的に3Dプリンターといえば、「どんな形でもデータさえあれば、あとは出力するだけ」という“夢のマシン”だとイメージされているようですが、じつはその扱いには高い技術とノウハウが必要です。その点を評価いただいて、カブクさんからお声がけをいただいたのだと思います。 —— なるほど。3Dプリンターを扱うにあたり、どのような点に気を付けていますか。 米山 我が社はもともと、自動車部品などの金属プレス加工を手がけてきた会社です。日頃から0.1ミリ単位で厳しく精度とクオリティを追求してきたことが、新たに立ち上げた3Dプリンティング事業にも役立っています。例えば、何かに装着したり、固定したりするものを作る際には0.1ミリ単位の精度が求められますが、3Dプリンターで0.1ミリ単位の誤差をなくすことは、なかなか容易なことではありません。機械や素材の特性をきちんと理解し、その製品にあった加工・出力を行う技術が必要です。その上で今回のマルチホルダーの出力にあたっても、ご依頼をいただいた時点で3Dデータはできあがっていましたが、乗り物に装着する上で耐振動性を考慮したり、装着時のホールド感を検証したりと、細かな提案をさせていただきました。 —— 精度を追求するにあたって、どのような3Dプリンターを使用しているのでしょう。 米山 レーザー焼結タイプといわれるもので、2013年にドイツのEOS社製のものを4000万円で購入しました。これは一般的によく知られる、細長いプラスチック樹脂を積層していくタイプとは異なり、プラスチックなどの粉末素材をレーザーで焼き固めていく方式を採用しています。このタイプの機材は導入当時で日本にわずか数台という状態でしたから、我々としてもまったくの手探りで、試行錯誤を繰り返しながらノウハウを身に付けていきました。 米山敏史 (よねやま・としふみ) 米山工業株式会社 専務取締役 新潟県三条市で金属加工業に携わる米山工業にて、2011年より新たに3Dプリント事業を立ち上げ。ネット経由で3Dデータを出力するサービスのほか、「YONEYAMA BRAND」での自社プロダクト開発、広報担当としてヒューマノイドロボットPepperを導入するなど、新たな試みを展開している。米山工業は1969年創業。自動車部品をはじめ、金属プレス加工や溶接加工で高い技術力を誇っている。 YONEYAMA BRAND公式サイト http://yoneyamax.com/ 金属加工用の高圧油圧プレス機がずらりと並ぶ工場内。1台ごとに職人が1人ずつ付きっきりで見守る中、平らな金属板が一瞬にして立体的な形状に成型されていく。 デジタルファブリケーションと 職人技術の、意外な接点 デジタルファブリケーションと職人技術の、意外な接点 「ROAD KITCHEN」の取り組みのうち、i-ROADの運転席に取り付けて、ペットボトルやサングラスなどの小物入れとして使用できる便利な「マルチホルダー」。試乗パイロット自身が好きな色や柄を指定し、3Dプリンターで出力を行うことで金型が不要となり、通常は相当数の初期ロットが必要となる樹脂製品を1点から提供できるという、デジタルファブリケーションならではの“多品種少量生産”を実現した。 このマルチホルダーの3Dプリンティングと、磨きや染色などの最終仕上げ加工に携わったのが、新潟県三条市の米山工業。三条市といえば、日本のものづくりを支える職人たちの街として、隣接する燕市とともに“燕三条”の呼び名で知られる地域だ。 前回の記事で、ROAD KITCHENのパートナーとして開発に携わった株式会社カブクの稲田雅彦代表は、マルチホルダーの仕上がりを「日本ならではの、圧倒的なクオリティ」と賞賛。3Dプリンターを用いたものづくりを新たな次元へと導く米山工業の取り組みについて、同社で3Dプリント事業を推進してきた米山敏史専務に話を聞いた。 ―― 今回、マルチホルダーの3Dプリンティングと最終加工に携わることになったきっかけについて教えてください。 米山敏史 一般的に3Dプリンターといえば、「どんな形でもデータさえあれば、あとは出力するだけ」という“夢のマシン”だとイメージされているようですが、じつはその扱いには高い技術とノウハウが必要です。その点を評価いただいて、カブクさんからお声がけをいただいたのだと思います。 —— なるほど。3Dプリンターを扱うにあたり、どのような点に気を付けていますか。 米山 我が社はもともと、自動車部品などの金属プレス加工を手がけてきた会社です。日頃から0.1ミリ単位で厳しく精度とクオリティを追求してきたことが、新たに立ち上げた3Dプリンティング事業にも役立っています。例えば、何かに装着したり、固定したりするものを作る際には0.1ミリ単位の精度が求められますが、3Dプリンターで0.1ミリ単位の誤差をなくすことは、なかなか容易なことではありません。機械や素材の特性をきちんと理解し、その製品にあった加工・出力を行う技術が必要です。その上で今回のマルチホルダーの出力にあたっても、ご依頼をいただいた時点で3Dデータはできあがっていましたが、乗り物に装着する上で耐振動性を考慮したり、装着時のホールド感を検証したりと、細かな提案をさせていただきました。 —— 精度を追求するにあたって、どのような3Dプリンターを使用しているのでしょう。 米山 レーザー焼結タイプといわれるもので、2013年にドイツのEOS社製のものを4000万円で購入しました。これは一般的によく知られる、細長いプラスチック樹脂を積層していくタイプとは異なり、プラスチックなどの粉末素材をレーザーで焼き固めていく方式を採用しています。このタイプの機材は導入当時で日本にわずか数台という状態でしたから、我々としてもまったくの手探りで、試行錯誤を繰り返しながらノウハウを身に付けていきました。   レーザー焼結タイプのプラスチック用3Dプリンター、ドイツEOS社製「FORMIGA P110」。パウダー状の微細なプラスチック粉末を敷いてレーザーで焼き固める作業を、 1層ずつ重ねることで造形していく。   地場産業の強みを活かした、 新時代の “ジャパンクオリティ” 地場産業の強みを活かした、新時代の “ジャパンクオリティ” ―― 金属加工業を営みながら、 どのような経緯で3Dプリンターを導入するに至ったのでしょうか。 米山 まだ日本で3Dプリンターが大きな話題になる前のことですが、2011年にドイツで金属加工の大型展示会「ユーロモールド」を視察した際、実物を初めて目にしたことがきっかけです。iPhoneカバーなど、3Dプリンターで出力した製品の出来がとてもよかったので、大きく興味をそそられました。帰国してさっそく、樹脂の積層造形タイプの3Dプリンターを20万円程度で購入したのですが、期待していた仕上がりとは程遠かった。使用できる素材は限られますし、強度も足りず、表面はガタガタして、とても製品として販売できるレベルではなかったのです。それはもう、悔しくて悔しくて……。そこで、本格的に最終製品レベルの出力が可能な3Dプリンターを導入しようと思い、レーザー焼結タイプの機材を導入したわけです。とはいえ、今回のマルチホルダーでは、出力後にもう1段階、研磨加工を施すことで、滑らかかつ発色のよい仕上がりを実現しています。 —— 3Dプリンターを扱うにも、三条市の地場の特徴である職人的な技術や、その他の加工法との組み合わせなどの知識が求められるということですね。 米山 はい。金属プレス機など従来の加工機械では、設置する場所や材料の質によって調整が必要なのは当然のことです。3Dプリンターの場合も同様に、パウダーの温度や廃熱の量など、使っていくうちに機械の特性がわかってくる。「3Dのデータさえあれば、世界各地でまったく同じものを出力できる」という話をよく耳にしますが、それには高い技術と知識を持った人材が必要不可欠です。3Dプリンターを扱う者の技術と経験がクオリティを大きく左右すると言っても、決して過言ではないと思います。とくに日本では高いクオリティのものづくりが当たり前になっている以上、お客様の目はごまかせません。レーザー焼結タイプであっても、3Dプリンターで出力したままの状態では、どうしても表面がざらざらしていますから、既存の射出成型のプラスチック製品とは見た目や肌触りが大きく違います。ですから、今回のマルチホルダーにおいても、地元の研磨職人に最終の磨き加工を依頼することをご提案させていただきました。 —— こうした3Dプリンターと伝統的な職人技術の組み合わせは、まさに“ものづくりの街”ならではのノウハウだと思います。 米山 そうかもしれません。ただ、射出成型であれば樹脂製品は滑らかに仕上がって当然のはずなのに、それを何故、わざわざ磨かなければいけないのかというジレンマはありました。ところが、研磨をすることで発色が格段によくなることがわかったのです。3Dプリンターで出力したそのままの状態で染色をすると、表面の細かな凹凸(おうとつ)の中に染色液が溜まって、全体的に濁った印象になってしまう。ところが、磨きをかけてから染色することで、はっきり明るい色に仕上がるのです。この発色は、3Dプリンターに関わる人が見たら驚くレベルだと思います。 3Dプリントラボ全景。空調管理された空間で職人が1名、出力された製品から余分なパウダーを取り除く作業を行っている。3Dプリンターには別フロアのCADオペレーターからデータが直接送られる仕組みだ。   “ものづくりの街” を次世代に受け継ぐ、 新たな挑戦 “ものづくりの街” を次世代に受け継ぐ、新たな挑戦 —— それだけの手間をかけてなお、3Dプリンターを使うことのメリットとは何でしょうか? 米山 それはやはり、金型が不要ということに尽きます。従来の製造方法では、時間と費用をかけてまず金型を作らなければならない。金型の制作費用を償却するには万単位の製造ロットが必要になりますが、3Dプリンターであれば1個単位で、手早く試作ができる。これは、とても大きなメリットだと思います。5年ほど前にチタン製のiPhoneカバーをオリジナル製品として発売したときのことですが、非常に好評だったものの、逆に行く先々で「Android用も作ってほしい」など、さまざまな機種用のチタン製カバーを作ってほしいと言われるようになりました。そのたびに「金型の開発に数百万かかる以上、そう簡単には作れないという事情を説明しなければいけないのが、本当に悔しかった。その経験が、3Dプリンター導入の原動力になったのだと思います。 —— いまでは、樹脂製のiPhoneカバーやカーエアコンの吹き出し口に装着するアロマポッドなど、3Dプリンターで製造したプロダクトを数多く展開されていますね。 米山 まだまだ手探りの段階ですが、こうした試みは私個人というよりも、燕市と三条市という、この地域が受け継いできたものづくりの地場があっての取り組みだと強く感じます。この土地には、あの工場は金属の鋳造、こちらは旋盤加工というように、それぞれに専門とする技術が蓄積されていて、お互いに力を合わせながら新しいことをやろうという気運がある。ものづくりを愛する気持ちがあり、1社では何もできないことを理解した上で、お互いに新しい挑戦を望んでいるのです。その上で私としても、従来のものづくりを続けるだけでは、この地場を息子たちの世代につないでいくことはできないという想いがある。常に新しい技術やアイデアを取り入れることで、産業として新たな発展につながる可能性を切り拓いていかなければならないと感じています。ですから今回のプロジェクトでも、トヨタをはじめ、カブクさんのような若い人たちと一緒にものづくりに取り組んだことは、大きな手応えになりました。3DプリンターやCNCマシンなどのデジタル工作機械には形そのものを作る力はありますが、「何を作るかというアイデアがなければ力を発揮することはできません。ですからこれからは、業種や地域をまたいで、それぞれの得意分野を組み合わせていくことに大きな意義があると思います。ぜひこれからも、新しい取り組みをご一緒させていただけたなら、嬉しいですね。   INTERVEIW & TEXT BY Keita Fukasawa (contributor) PHOTOGRAPHS BY Eiji Fukasaku ISSUED : 4 February 2016   「PROTOTYPING REPORT」バックナンバー ものづくりをオープンにすれば社会はもっと楽しくなる カブク 稲田雅彦代表インタビュー 01 3Dプリンター×日本の職人技術で切り拓く未来 カブク 稲田雅彦代表インタビュー 02 「PROTOTYPING REPORT」 バックナンバー ものづくりをオープンにすれば社会はもっと楽しくなる カブク 稲田雅彦代表インタビュー 01 3Dプリンター×日本の職人技術で切り拓く未来 カブク 稲田雅彦代表インタビュー 02

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OPEN ROAD PROJECT INNOVATION REVIEW | 2016.1.22

資料をどれだけつくっても、未来はつくれない。

不確実なままでは終わらせず、次のアクションを ―― 市販されていないi-ROADをお客様に乗っていただくなんてと驚いた人もかなり多かった。トヨタがなぜそれを実行できたのか、不思議に感じます。 「i-ROADというプロダクトを世に出すには、お客様に実際に乗っていただき、生きた声を聞く意外には無いと思っていましたから。不確実のものはパワーポイントの資料だけではずっと不確実なままで、それ以上はぜったいに進まない。次に進むにはこれまでとはまったく違うアクションを起こさなければと強く感じていたので、実行できたのでしょう。ただ本社からも案外“やらせてみよう”という声が多かったのも事実。2012年から段階的に調査やモニターを実施してきたので、それらが実を結び、i-ROAD自体のポテンシャルが認められたことも大きかったと思います」 大塚友美氏 トヨタ自動車株式会社 商品・事業企画部 未来プロジェクト室長 大塚友美氏 トヨタ自動車株式会社 商品・事業企画部 未来プロジェクト室長 不確実なままでは終わらせず、次のアクションを ―― 市販されていないi-ROADをお客様に乗っていただくなんてと驚いた人もかなり多かった。トヨタがなぜそれを実行できたのか、不思議に感じます。 「i-ROADというプロダクトを世に出すには、お客様に実際に乗っていただき、生きた声を聞く意外には無いと思っていましたから。不確実のものはパワーポイントの資料だけではずっと不確実なままで、それ以上はぜったいに進まない。次に進むにはこれまでとはまったく違うアクションを起こさなければと強く感じていたので、実行できたのでしょう。ただ本社からも案外“やらせてみよう”という声が多かったのも事実。2012年から段階的に調査やモニターを実施してきたので、それらが実を結び、i-ROAD自体のポテンシャルが認められたことも大きかったと思います」     i-ROADを通じて築けたお客様との新しい関係性 i-ROADを通じて築けたお客様との新しい関係性 ―― 試乗パイロットとしてi-ROADに乗ったお客様は、みなさん楽しそうですよね。一般的な“試乗モニター”とはまた異なる雰囲気があります。 「一般的なモニターのグループインタビューでは不満点を中心に聞くことが多いのですが、i-ROADの試乗パイロットの方々はもう本当にポジティブ。“私たちが育てたi-ROADにまたいつか会いたい”と言ってもらえたときは感動しました。一緒につくっていく!という気持ちで参加してくださるお客様は、おそらくトヨタ史上初めてのこと。お客様と新しい関係性を築くことができたのが、OPEN ROAD PROJECTでの一番の喜びです」 サービスがプロダクトを使う喜びを高める サービスがプロダクトを使う喜びを高める ―― これまでOPEN ROAD PROJECTを進めてきて、どのあたりにもっとも手ごたえを感じていますか。 「プロダクト単体からサービスへと視点を広げることで、確実にプロダクトそのものを使う喜び、満足感は上がるという確信は持てました。これまで車の商品企画は閉塞感があると言われていたのですが、OPEN ROAD PROJECTをきっかけに自分たちで勝手につくっていた垣根がバッと取り払われ、ビジネスチャンスが広がっていく感覚があります。」   ―― OPEN ROAD PROJECTの次の展開を教えてください。 「ちょうどそろそろ次のフェーズにいかなくては、というところです。現在動いているプロトタイピングは、おかげさまでみなさまから高い評価をいただいているのですが、だからこのまま続けようではダメ。次のフェーズへと視点を切り替え、新たにチャレンジしていきます。一体何が起きるのかは、じつは私にもわからない部分が多い。ひょっとすると室長である私が、次の展開をもっとも楽しみにしているのかもしれません」 ダイバーシティを価値に結び付けたい ダイバーシティを価値に結び付けたい ―― 未来プロジェクト室をどのようにしていきたいですか。 「取り巻く環境は変化しつつありますが、それでもクルマは、自由な移動の手段としての価値はひじょうに高い。この車の価値を、これからもさまざまな形態でお客様に届けたいので、そのためならあの手、この手を打っていくつもりです。これは持論なのですが、次の一手を打つには、ダイバーシティというか、保守本流にいない人たちの視点とパワーがかならず大きな機動力になります。その爆発的なパワーを秘めた組織としてこの未来プロジェクト室が存在し続け、業界全体にさまざまな波及効果を及ぼすのが理想。未来プロジェクト室のメンバーには多種多様なキャラクターがそろっていますし、オープンイノベーションで外の人たちと関わることで生まれる多様性もある。これらダイバーシティの特性と新たな価値との結び付けを、未来プロジェクト室がまざまざとやってのけたいですね」 優しい語り口調ながら、言葉の一つひとつにしっかりとした意志がこもる大塚室長。大塚氏と話していると、車はただのプロダクトではなく、人それぞれのストーリーを運ぶ乗り物だということを、ふと思い出した。 TEXT BY Ryoko Sugimoto (contributor) PHOTOGRAPHS BY Tomoyuki Kato ISSUED : 22 January 2016 Article Index 未来プロジェクト室 大塚室長インタビュー VOL.2 「資料をどれだけつくっても、未来はつくれない」22 January 2016 未来プロジェクト室 大塚室長インタビュー VOL.1 「一緒に描こう、クルマの未来」 20 January 2016 Article Index 22 January 2016 未来プロジェクト室 大塚室長インタビュー VOL.2 「資料をどれだけつくっても、未来はつくれない」 20 January 2016 未来プロジェクト室 大塚室長インタビュー VOL.1 「一緒に描こう、クルマの未来」

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試乗パイロット | 2016.1.21

第5期i-ROAD試乗パイロット、搭乗スタート!

  12月26日からスタートした第5期試乗パイロット。搭乗期間がスタートして約1ヵ月にも関わらず、年末年始をi-ROADとともに過ごしたパイロットたちからは、続々とフィードバックが集まってきている。 「外に出るのが楽しくなった」とは、これまでの試乗パイロットすべての人に共通した感想。今回もさまざまな街へi-ROADが走っている模様。ただi-ROADはどの街へ行っても注目を集め、カメラを向けられることもしばしばあるという。 第5期では、3Dプリンターでオリジナルパーツをつくるプロトタイプ「ROAD KITCHEN」がさらにバージョンアップして登場。前回よりも大きくデザイン性が高まったのが特徴だ。試乗パイロットははたしてどんなデザインでそれぞれのi-ROADを彩るのか。 試乗パイロット、引き続き募集中 試乗パイロットは2016年の夏までに合計8期を募集している。 引き続き本Webサイト「試乗パイロットについて」から応募が可能だ。 また親子の移動にフィットする2人乗りi-ROADの試乗パイロットも引き続き募集中。一人ひとりの体験から始まるイノベーションに、ぜひあなたもご参加を! 試乗パイロット、引き続き募集中 試乗パイロットは2016年の夏までに合計8期を募集している。引き続き本Webサイト「試乗パイロットについて」から応募が可能だ。また親子の移動にフィットする2人乗りi-ROADの試乗パイロットも引き続き募集中。一人ひとりの体験から始まるイノベーションに、ぜひあなたもご参加を! ISSUED : 21 January 2016

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